Life Impressions

日々遊んでるゲームの感想をちゃんとアーカイブ化したかったのでブログやってみます。ゲーム以外の感想も書くかも。

「聖地には蜘蛛が巣を張る」感想

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アリ・アバッシ監督「聖地には蜘蛛が巣を張る」みてきた。

※ネタバレどうこうという映画でもないと思うけど結末まで普通に書くので注意

 

イランで実際に起きた連続娼婦殺人事件を題材にした映画。

イランの聖地マシュハドでサイード・ハナイという一人の男が16人の女性を殺害し遺棄した事件。「街の浄化のためだった」と主張する犯人を地元の人々は英雄視し、模倣犯も出たらしい。

 

題材が題材なのでめちゃくちゃ女が暴力を受けたり殺害されたりするシーンが続く。苦手な人は厳しいかも。この辺、もうちょい直接的な描写を避けても十分事件のひどさは伝わるかなとは思った。

強烈な女性蔑視が根付く現実社会の恐怖を描いているので、事件の犯人は捕まりはするけどカタルシスとかも一切ない。

 

子供の無邪気さや素直さを逆手にとった意地の悪いラストシーンはアリ・アバッシ流だなあと思うけど(まあ犯人の息子が「父は正しい!」みたいなテンションなのは残念なことに本当にそうなんですが…)

この映画のなにが鬱かというと、描かれる女性差別のあり方に何一つ驚きがないというかむしろ既視感しかないところ。

映画には、この連続殺人事件を熱心に追う女性ジャーナリストが出てくるんだけど、未婚の女の一人行動だからという理由でホテルを追い出されそうになったり上司や地元警察から大小様々な嫌がらせ・セクハラに遭う。

程度の違いはあれど全て日本社会でも地続きのリアルさで共感できることばかり。

「娼婦」をやってた女性被害者に対する警察・地域社会の冷淡さや憎悪も全く新鮮さを感じない。

犯人の男が慢性的に抱える「俺はもっと活躍のチャンスがあった筈なのにこんなさえない生活に甘んじてる」みたいな不満も、その鬱憤が「正しくない女を罰することで権威が回復できるかもしれない、なにかの帳尻が合わせられるかもしれない」という方向にいくのも、陳腐なほどに「あるある」だ。

一応犯人は「神の意思に従っただけ」みたいなことも言うのでイスラム教の影響を全く描いてない訳でもないんだけど、別にイスラム教があるから男尊女卑があるというより、男尊女卑がまずそこにあってその正当化に(この地域では)イスラム教が使われているというだけのことなので結構どうでもいい。

ラストで犯人の息子が、まるでおままごとの様に幼い妹に被害者役を頼んで誇らしげに父親の犯行の様子を実演してみせるシーンは悪趣味過ぎると感じる人もいるかもしれないけど、ただ単に順当というかもっともなことだと自分は思った。

女性蔑視というのは、素朴で善良な人々が各家庭で連綿と受け継ぐ伝統であり、日常の生活に根差した文化だから。

 

そのことに対してちゃんとしっかり一旦絶望しようよね?という映画なんだと思う。

練馬区立美術館&ハンセン病資料館

休日恒例、展覧会のハシゴ。

暑いくらいの晴れと小雨を繰り返す変な天気だった。

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まずは練馬区立美術館

「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」

13世紀~15世紀の写本のコレクション。

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↓みたいな写本の余白を埋める謎挿し絵のことをドロルリー(drôlerie)と呼ぶらしい。drôlerieで画像検索すると幸せになれる。

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牧歌的な挿し絵。

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15~16世紀の時祷書(お祈り教本みたいなもの)のための版木とか。

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まだ版画とか印刷とかの技術がなかった頃「写本作る作業何冊分かしたら死ぬ」みたいな人生、よくあることだったんだろうな…。

2階の写真とれないゾーンでは、モネとかシャガール上村松園などの絵も展示されてた。f:id:gl_game:20230416215816j:image

 

美術館に併設されてる公園のシャクナゲ?が咲きたてでキラキラしてた。

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そして国立ハンセン病資料館へ。

今やってる企画展示は

ハンセン病文学の新生面 『命の芽』の詩人たち」

療養所でさかんだった詩の創作。

治療薬プロミンの開発により、希望を感じさせる内容の詩を増やそうという機運が高まった時代の作品が中心。

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↑の詩を西武池袋線内の広告でみて、いつか行こうと思ってた。

詩のプレートは撮影可だったので心に残ったものをいくつか。

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朗読動画もある。↓詩の朗読は17分頃から。


【期間限定公開】小泉今日子さん朗読会「詩集『いのちの芽』を読み継ぐ」(国立ハンセン病資料館企画展関連イベント)アーカイブ配信 - YouTube

 

資料館で、苛烈な差別と排除の実態や治療法が確立されてなかった時代の症状について等、ハンセン病について合わせて知っていくと一番いいと思う。

資料館の部分がかなり充実していて完全無料なので興味ある人は是非。

最近やってるゲームのSS

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サイバーパンク2077のアラサカパレード辺りのスクショ

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POST VOID、好きだ~…。

こういう、やることがシンプルで、考えてどうこうよりもとにかく手を動かして目と手を慣れさせていく死にまくりゲーム、常に求めてる…。

グラフィックもクドクドしくて飽きさせない。

4層目くらいで死ぬことが多かったけど最近安定して4~8層目以降行ける様になってきた。

見たこと無い層の壁の色の配置が見れるととても嬉しい。

 

 

 

ポリコレ炎上してるラストオブアス2を自分でクリアしてみた感想

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全編に渡ってネタバレしてるのでまだラストオブアス2をクリアしてない人は読まないでください。
あと無駄に長文です。

 

 

 

 

 

 

 

まず、端的に言うと壮大かつ壮絶な「愛」の話だった。

もちろん言うまでもなくジョエルからエリーへの、そしてエリーからジョエルへの愛。
道中が本当に陰惨で血みどろなのに(だからこそ)最後までたどり着いた末にこんな気持ちにさせられるとは。
でも本当に「感動」とかシンプルな言葉では言い表せない気持ちで、圧倒的に悲しくてつらいのに、決して絶望や空虚さではない手応えを感じられるエンディングだった。
似た様なテーマは映画や他のフィクションでも取り扱ってきたとは思うけど、ここまで痛切にそのテーマを伝えられるのはやっぱりラストオブアスがゲームだからなんだと思う。ゲームをプレイするというやり方でしか辿り着けないゴールに、自分が辿り着けてよかった。

 

ラストオブアス2を批判してる人もそうでない人もよく言ってる「復讐は何も産まない」というテーマについてはメインではなく、あくまでもエリーとジョエルの関係を圧倒的にリアリティをもって描いた結果、多くの人が感じてしまう副産物みたいなものだと自分は思った。そんなことはわざわざノーティードッグ(※開発会社)やニール(※開発者)が主張するまでもなく普遍的な真理なので。
このゲームではあれが正しいとかこれが間違ってるとかはっきり白黒つけて言い切る様なふるまいは徹底的に避けられてる。


ラストオブアス1について

ラストオブアス2の解釈が賛否両論に分かれる理由のひとつは、1の最後にジョエルがやったことへの解釈が分かれるからなんだと思う。
そしてその自由さを許したことが1の絶賛に繋がってるんだけど、この2への批判の多さを見ると、思ったよりジョエルがやったことのダークな部分から目を背ける人が多かったんだなと…。

1で最後にジョエルがやったこと、それは言うまでもなくエリー1人の命を守るために人類全体を救うワクチンの開発に尽力していた組織を壊滅に追い込んだこと。
「全人類を敵にまわす」とか、「エリーがいない天国よりエリーがいる地獄を選んだ」とか言うと、なんだかただ単にヒロイックにも聞こえるけど、本当に多くの人の命や努力や尊厳や希望を台無しにする行為で、しかもその救われる可能性を失った世界でエリーに生きることを本人の同意なく強要するというなかなかの鬼畜行為。

それでも
「ジョエルを一方的に非難できない」
「エリーが生きてて良かった」
とプレイヤーに思わせたところが1のすごいところだった。
そんなことをしてまで、ジョエルはエリーを生かしたかったっていう「そんなこと」の重さを理解すればこそ、1の結末は心を打つし、ジョエルというキャラクターの魅力が「強い」とか「渋い」とか単純なものではないとわかるし、そこから逃げずにジョエルから与えられたものを背負おうとした2でのエリーの苦しみが真に迫ってくる。

ジョエルの死

そしてラストオブアス2について話す時、この展開について触れない訳にはいかない。
自分もすっかり発売前はミスリードのトレーラーに乗せられていたので、ディーナやコミュニティの多くの人が死んで、その復讐の旅にエリーとジョエルが二人で行く話だと思ってた。
でも、2の物語のどこかでジョエルは1でやったことと向き合うことになるとは思ってたので「こんなに早く?!」とは思ったけど殺されたことについて驚きはなかった。
ジョエルにとって、数時間の拷問の末に撲殺されることよりもっと残酷な罰は「また守ることに失敗してエリーが自分より先に死ぬこと」なので、その展開じゃなかっただけいいと思う。
(※もしその展開だったらさすがに自分も「鬱過ぎて2は駄作」「作らない方がよかった」という意見になってたかも)
そしてあそこでジョエルが殺されずにジャクソンでの平和な日常が続いてたら、エリーはその欺瞞に耐えきれずに自分の身をあえて危険に晒すような行動をとってしまい、その最悪の展開になる可能性が高かった筈。(冒頭のジャクソンでのエリーは大人っぽくなったと言ってしまえばそれまでだけど、1でのエリーより暗く沈んでて全てに対して上の空の様に感じられる)

こんな風に書いてると「ジョエルは死んで当然のクソキャラ」みたいに貶してると勘違いする人も出てくるかもしれないけど、全くそういう話ではなく、自分で1でジョエルをずっと操作してきてある程度感情移入してたからこそ、この事態に少し覚悟ができてたってことなんだと思う。

 

序盤のふわふわ感

もちろん心のどこかで死を覚悟してたのはあくまでジョエル目線の話でエリーにとってはたまったもんじゃない。
エリーはすぐさま復讐の旅に出発するんだけど、自分にとってはこの序盤の辺りが一番感情移入できなくてやってて不安でつらかった。
エリーほど聡明な人ならジョエルが殺される程の恨みを買ってることはわかってるだろうに激しい怒りの表明しかしないし、そういう勢いで飛び出したわりにはシアトルのダウンタウンでは結構ディーナとまったり過ごしてる。(ここはセミオープンワールドになってるのでゲーム的にも回り道が推奨されてる)(馬に乗って女二人廃墟巡りの旅っていう部分単体では雰囲気最高だけど…)
特に自分がドン引きしたのはトミーが敵に追われている情報が入ってきたのにそれを無視してアビーのいる場所へ向かおうとしたところ。トミーは今エリーの周りにいる人の中で唯一ジョエルのやったことを理解してる人で、ジョエルを失った痛みを一番深く共有できる相手なのにその人が敵に追いつめられてても助けないなんて…。

でもこの時点では自分はエリーがジョエルに抱いてる感情の複雑さと強さを理解できてなかったんだと思う。あとエリーが14~5才から19才?になってたことのギャップを埋めるのにも時間がかかった。

エリーが本当に手の震えが抑えられない程怒ってる対象はアビー達じゃなくて、わかり合っていく筈だった途中で急に死んでしまったジョエルだし、更にそれを阻止できなかったエリー自身ってのは最後までやってやっと実感としてわかった。(もちろんその事態を引き起こした犯人のアビー達にも間違いなく怒ってはいるけど)


で、とにかく理屈の上で動いてるんではなく、壮絶な喪失によって自分がバラバラに崩壊しない様に必死な状態だから態度が一貫してないと感じられるんだと思った。

感情移入できないのになんで操作させられてるんだろうって違和感が一番高まったのはノラ(名前合ってるか微妙だけど、アビーの仲間の一人でエリーに追われて胞子を吸ってしまった人)を惨殺するシーンで、一撃ごとに□ボタンを押すことを強要されて「なんなんだこれは」となった。
ここは「プレイヤーと操作キャラがシンクロすればする程良い」という既存のゲームのロジックを逆手にとって暴力への拒否感を高める演出でもあるとは思うんだけど、それだけだとあまりに薄っぺらくてそれとは別に、(最後までやってみて今考えると)エリーも別にやりたくてやってる訳じゃない、精神がバラバラになってるから心と体の動きもバラバラになっている、という状態を疑似体験させられているという面もあるのかと思った。
(そういえばせっかく日記っていう仕掛けもあるのに、日記にさえエリーは自分の心の底をそのまま言葉にすることはないんだよな。まあ実際の日記もそういうものだと思う。自分を常に客観視して的確な文章を書ける人はそうそういない)

 

アビー編

そして世界中がブーイングのアビー編へ。
上で書いた様に自分にはアビーへの強い怒りや拒否感もないけど、かといって強い興味もなかった。
手術室で殺した医者の娘ってのも「ああ、あの人ね…!」とは思うけどファイアフライの残党って意味では、意外性も何もない。(ただ、何回もあの手術室に向かう廊下を走らされる演出はすごく好きだった。ジョエルにとっても印象的なあの廊下。エリーも真相究明のためにあの場所に行く)

(余談だけど自分は1のあの場面で、どうにかことを穏便に済ませられないかと試行錯誤して試しに弓で足の甲をちょっとだけ攻撃してみる等の行動を試してみたけど、足の先っちょに弓がヒットしただけで医者はへにょっと倒れて死んでしまった…アビー!お前の父親弱過ぎ!)

で、ここがラストオブアスらしさだと思うんだけど、あっと驚く様な展開を用意して「それならアビーがああいう行動をとるのも仕方ない」って思わせたり、アビーを完全無欠の善人に描いて(またはもっとしおらしいキャラにして)、簡単に同情を誘ったりはしない。

ただただ、アビーがどう過ごしてたかってことをアビーをプレイさせることで体験させる。自分はアビーに興味がないなんて言いながら、結局レブと一緒にヤーラのための医療器具を取りに行く道中で高層ビルの上を(ほぼ実質)綱渡りさせられる辺りで、プレイに熱中して知らないうちにアビーとシンクロしてしまった。
こういう訳でアビーは悪くないんですって理屈を説明する「話」にするんではなく、ゲームという手法を生かして驚異的なロケーションを用意してプレイに集中させることで敵側にいる人物とシンクロさせる。こんな力業な親近感の湧かせ方があるんだと、このやり方はめちゃくちゃうまいなと思った。
この辺を「ラスアス2は『敵を憎んではいけません・争いはいけません』というわかりきった説教を自分に押し付けるゲームなんだ」と思い込んで穿った見方しかできなくなってしまった人は素直に受け取れてなくて損してると思う。
あとアビーがフェミニストにとってのメアリー・スー(「わたしが考えた最強の女キャラ」的な揶揄)だって言ってる人もいるけどあんな色々と欠点のあるキャラのどこが?というか、メアリー・スーって言葉覚えたてで使いたいだけなのでは…??爽やか二股男のオーウェンに乙女顔で振り回されるキャラがフェミニストの理想…??

あとアビー編の役割として、前半のエリー編でも垣間見えてたWLFとセラファイトの争いの最悪の展開(アビー編終盤での炎上する島から脱出する辺り)を目撃するって部分もある。
これは自分は「ジョエルが選んだ世界」を目撃させられてるんだと思った。
WLFとセラファイトの争いはジョエルとエリーに関係なく起きてることの様にも思うけど、やっぱりワクチンの開発が進んでれば世界中にあるこういった組織の小競り合いは解決できる部分があった筈で、ワクチンができたらできたでそれも争いを生むでしょってのは正論なんだけど、だからといって世界が立ち直るきっかけになるかもしれなかった芽を摘んだジョエルの罪が消える訳ではなく、ジョエルという存在を理解するために避けられない描写だったと思う。
唯一癒しだったエリーとジョエルの過去パート(ちなみに自分はそこやっててずっと泣いてた)もサービスシーンかと思いきや毎回「ファイアフライの嘘つき」とかそういう過去の行いからは逃げられないよオチだったし。

とりあえずそんな壮絶な展開の中で、仇を殺しても全く消えることのなかった「父親を殺されてしまった」というトラウマを、代わりの誰かを救うことでどうにか癒そうとしてるアビーの切実さを自分も理解し始めてた。(だってそれは細かいこと抜きにすればジョエルとやってることが同じだし)
まあそんなこと必死にやってる間にオーウェンたちがエリーに皆殺しにされちゃってんだからそりゃ吐くわって話ですけど…。

 

そしてなぜかアビー視点のまま始まるエリーVSアビーの一騎討ち!!
こっちは武器持ってないのに遠慮なくショットガンを撃ち放ち、罵りの言葉をぶつけてくるエリー。ここで何度エリーに顔面蜂の巣にされたか…。
更になんで自分が頑張ってプレイした結果としてエリーが顔面ボコボコにされなきゃいけないのか…。

 

農場~最終盤

呆然自失のまま、気付いたら自分(エリー)は農場から壮大な夕焼けを眺めていた…。何を言ってるかわからねえと思うが、夕焼けの美しさや、よいこのおいもちゃんの癒し効果はガチだったので考えることをやめて無心で子羊を追っかけてたら、不意打ちで………
…あれはアメリカで訴訟とか起こるレベルなのでは?このゲームにはPTSDの疑似体験が含まれますって注意書きしておかなくて大丈夫??
ジョエルが死んだことには驚きがないとか言ってすみませんでした…目の前でジョエルの死を目撃したエリーの気持ちに自分は全然追い付いてませんでした………
ここでやっと自分は「ああ、アビーを憎んでるとかどうとか、そんな次元じゃないよね」とわかった。

あとトミーおじさん生きてたぁああぁあ!!よかった!!完全に死んだと思ったので…ってなったけどトミーおじさんは本当に辛いね。
考えてみればトミーおじさんは一番最初の殺人をジョエルのためにしてるし、ジョエルのとてつもない罪の告白を受け止めて気持ちを共有してあげてるし、この人もこの人でジョエルに非人道的な守られ方をしてた時期もあったみたいで、ジョエルへの気持ちは一言で言い表せないくらい複雑なんだろう…
ここでディーナもマリアもちょっと冷たくない?ってなるけど、この世界では「死んだ人のことでずっとグチグチ言ってる」ってのは今の自分達が過ごす世界で考えるよりずっとよろしくない行為なんだと思う。

そしてもうぱっと見でわかる程の心身ともにボロボロの状態で(途中で腹に穴まで開けて)、もうそうする以外の生き方がわからなくてエリーはアビーを追う。

 

最後の最後でなんでエリーはアビーを殺さなかったのか?

なんであの瞬間にやっとジョエルとの「許せないけど、許したいと思ってる」という会話を思い出したのか?自分はそれをこういう訳なんですってはっきり言葉で説明できない。でも、納得はした。
また周回すればもっと気付くこともあって説明もできるかもしれない。アビーとレブの関係にかつてのジョエルと自分を感じたからとか、そういうのもあるけどそれだけじゃ弱過ぎるし…。
ただ、理屈が追い付いてないのに納得させる描写があのシーンにはあった。エリーのあの泣き顔…グラフィックの進化ってこういうことかと思った。

 

そして改めて、もぬけの殻となった農場で弾けなくなったギターを弾いて、最後の夜の会話を思い出す。

「もしも神様がもう一度チャンスをくれたとしても俺はきっと同じことをする。」

「一生そのことは許せないと思う。でも、許したいとは思ってる。」

この二人の関係の全てがつまった会話をエリーとジョエルは最後の夜にすでにしてたんだってプレイヤーはこのタイミングで知る。
それはエリーがその時言った「許したい」って言葉の壮絶さに辿り着いたのが、このタイミングだからなんだと思う。

 

このストーリーを終えて、改めてエリーが途中で弾き語りしたa-haの「Take On Me」を思い返してうわっとなる。
「僕を受け止めて」
エリーは過ちごとジョエルを受け止めて、それはエリーがエリー自身を受け止めることでもあって、更には世界をあるがままに受け止めることにも繋がってるんだなと自分は思った。

 

結果的にジョエルは死んで、エリーはほとんど全てを失った状態で、この話があまりにも陰鬱で爽快感がないから嫌い、求めてないっていう人がいるのはわかる。
でもエリーとジョエルというキャラや、ラストオブアス1の内容を否定したり貶してるストーリーだって言ってる人は何を見てたのか?そういうことを言う人達ほどエリーとジョエルから逃げてるんじゃないのか?って激しく疑問に思う。

こんなにも、あの完全だったラストオブアス1と正面から向き合って、エリーとジョエルというキャラを安易に理想化せずに掘り下げに掘り下げたPart2を完成させた開発者の、キャラクターへの壮絶な愛にも驚嘆する。

 

前書いた記事でポリコレ云々でいちいち反感持ってしまう人はラスアス2向いてないのでは?って書いたけど、本当はそういう人にもやってほしい。

でも、言ってもただのゲームだし誰にも強要することはできないけど、自分はラストオブアスから確実になにかを受け止めた。そうすることができて良かった。

プラネットアルファ 感想③

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着いたのは、うっそうとした沼地ステージ。

巨大な首長竜も再び登場。


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こっちは登場してほしくなかったけど、敵ロボもここで一時的に故障を修理中らしい…。

 

沼地を抜けると、今度は知らないうちに敵の本拠地と思われる機械工場?に迷いこんでしまう…

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おびただしい数のこの星の生物の死体が転がってる…

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クローン実験部屋の様なものまで…。

進んでいくといつか登場した巨大な昆虫が拘束されていた(体液を吸い出されている?)ので、状況を打開するために解放。きゅるきゅる言ってくれてかわいい。

この星の生物の体液は緑で、敵の戦艦の燃料?部分も緑なので機械兵たちはエネルギー源としてこの星の生物を狙ってたのかな。

 

昆虫が拓いてくれた道の先に掘削メカを見つけて乗り込んでみたら一気に地上まで抜け出せた!

死体とベルコンベアだらけの地下を進んでたので改めてこの惑星の地上の美しさがありがたい。でも進んでいった先で…

なぜか兵器?の様なものが突然墜落!爆風がこっちに届くまでに謎文明パズルを解かないとここは一発アウト。


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パズルを解いて入ったとこはまたもや地下のような雰囲気でマグマが湧きまくり…!

早く進まないと地面が溶けたり、熱々の地層が突き出てきたりする。

そのマグマ地帯を抜けると今度はマグマが冷えた後なのか、うっすら光る水晶と浮遊生物の明かりを頼りに進んでいく、暗く静かなステージ…

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と思いきや

デューン砂の惑星みたいな生き物がめっちゃ群がってきた…!!

この砂虫ゾーンを抜けたとこで

謎のカプセルに乗って惑星のコアに近づいていく…このシステムは誰が用意した何のためのシステムなのか…

ちょっとここのイメージは受精感あるんだけど、それが何を意味してるかまではわからない。


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色とりどりに岩が光る不思議な暗い洞窟を抜けて…

 

また溶岩地帯に出てきたところであの敵の親玉ロボが再度襲ってきたので、今までの戦いでできたキズの部分からロボの内部にダイブ!

内部にダメージを受けたロボは溶岩に沈んでいき今度こそ完全に勝利!

でも主人公はギリギリで脱出したので足を引きずるダメージを負ってしまう…

まるでこのゲームが始まった時と同じ様な状況…

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ここで一旦エンドロールが流れるけど、ボタンを押してゲームを再開すると、また最初からゲームが始まる流れになります…!

つまりループ!

ちなみにこのゲームの途中で覚える、時間を操る能力はオープニングの洞窟の入り口で倒れるまでは使えて、次に洞窟内部で目覚めた時は使えない様になってる。

だから洞窟内部からは新しい個体にすり替わってる?

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例のワープゲートをくぐっていく重力空間で、全部でで4つある光るアイテムをちゃんと手に入れた状態でエンディングの場所までいくと、謎システムが作動して主人公はこの星から脱出できるという真エンディングになります!

真エンディングだと主人公の脱出の様子の後に改めて惑星の風景が背景に流れていくスタッフロールになる。

 

多くを語らないゲームなので、考察というよりは完全に妄想なんだけど、この主人公は機械兵たちを作った主犯なのかなと思った。

計画的にこの惑星の生体エネルギーを得るために作ったロボ達がなんらかの手違いで暴走。コントロールできない殺戮マシンに…

自分達の責任でロボを止めるために、自分のクローンを作ってループさせて事態の収束にあたることに…とかそんな感じで!

惑星の生物は巨大だけど、主人公とロボたちは大体スケール感が一緒だったりしたので。

この妄想だけだとあの惑星にあったシステムや文明はなんなのか、主人公はどうしてそれを操れるのか、とかがよくわからないけどね…!

 

謎は色々残るけど、アクションパズルゲームとして、ステージのクオリティ・アクション動作の軽快さ・リトライのしやすさとかその辺りが綺麗にまとまってたゲームだったので、またこの開発陣が作ったゲームが出たら買いたいなと思いました!

おわり

プラネットアルファ 感想②

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前回、なんか目覚めたら綺麗な惑星にいた。

でもあからさまに悪者な感じの機械星人が襲来!ってとこまで。


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進んでいくと、なにか大きな建造物の廃墟の様な場所に到着。

突然、親玉的な巨大メカに襲われる!(↑の動画は手の部分がうつってるだけ)

 

なんとかかわしながら首長竜の様な生き物がいる森を抜けていく。
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ふみつぶされない様にタイミングを見計らいつつ…。

 

また人工的な建物のエリアへ。神聖な空気で美しい。

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建物は美しいけど仕掛けはなかなかえぐいです。えぐい仕掛けをなんとかクリアしていった先で…

不思議な力で作動する糸無しエレベーターの様な装置で遥か上空のエリアへ移動!


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天空エリアは小惑星のような岩場がそこらじゅうに浮遊してるので、これを時間操作で上手く動かしながら進んでいく。

空飛ぶ鯨の様な生き物もすぐ近くを通過していく。


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気になるのが、時々ステージに倒れてる自分と同じ種類の星人?の死体。さりげなくいろんなところにある。

 

死体や景色に気をとられながら進んでると、親玉メカ登場!かなりしつこく襲ってくる。f:id:gl_game:20200409175524j:image

うまいこと岩場の動きをコントロールして撃退!でもまだ腕がちぎられただけなのでまた襲ってきそう…

 

自分とは関係ないところでもこの星の生き物と機械軍団が戦ってる。f:id:gl_game:20200409175911j:image

かなり被害は甚大な様子…。(緑色のネバネバは多分この星の生き物の血液)

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ゲームを進めていくと節目とかで発見できるこの異次元移動ゲート?の様なもの。

くぐると重力が弱い不思議な空間に移動できる。

この空間のゴールには出口があるんだけど、そこで謎の光るアイテムが手に入る場合もある。f:id:gl_game:20200409180930j:image

このアイテムにどんな意味があるのかわからないけど、これを集めながら惑星の中心を目指していきます。

つづく!

プラネットアルファ 感想①

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なんとなく画が綺麗なので気にはなっていたゲーム「プラネットアルファ」がスプリングセール(※2020/4/28まで)で500円になっていたので、買ってやってみた。

 

神秘的で美しい惑星を、何回も殺されながら少しずつ進んでいく冒険。(※そんな理不尽な難しさじゃないけど死んで覚えるタイプのゲーム)

2.3日くらいでクリアしたけど、密度高く世界が作られてるのでちょうど良い長さに感じた。


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のっぺりとした祭壇?の様な場所で目を覚ます主人公。

公式の説明によると、この惑星に一人残された状態らしい。(※ゲーム内では全くあらすじの説明や前後のムービー等もなくいきなり始まる)

息も絶え絶えらしく足を引きずってる。

プレイヤーの操作でひたすら歩く主人公の背景にスタッフロールが出る演出がかっこいい。

古代文明っぽい彫刻が施されている洞窟の前でついに行き倒れる主人公。

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(このシーンの奥の岩山に主人公と似たタイプの星人?がいる様に見える…)

また洞窟の中?の祭壇の様な場所で目覚める主人公。

↑の星人のおかげかわからないけど、知らない内にダメージがなくなってて足を引きずらずに歩けるしジャンプもできる様になってる。

 

それで洞窟を抜けていくと…

さっき歩いてきた砂漠地帯とは全く違う、巨大な恐竜の様な生き物や不思議な浮遊生物などの生命と自然に満ちあふれたエリアに到着。

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とにかく美しい。流れる水の音や生物の鳴き声など、効果音もリアルで良い。

たまに変な場所にいるこの白く光る特別なふわふわ生命体は見つけるとトロフィーが貰えるので会えたらラッキー。綺麗だし。

 

世界に見とれながら落下死したりして進んでいくと、時間を操る謎の力によって作動する仕掛けが出てくる。

こんな風にエレベーターを作動させたり、夜の時間帯にしか生えてこない植物を足場にして進んだり。

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この球体が浮かぶ祭壇でも時間を操作して仕掛けを作動させてみる。すると…

巨大な地球儀の立体映像が投影される。これはステージ全体のマップになってるっぽい。ゴールはこの惑星の中心…?

これは誰が誰に伝えるために用意されたメッセージなんだろう?なんてことを考えてたら突然轟音と共に現れた機械生命体!


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あからさまに「敵」なので身を隠しながら進む。こっちは武器なんかは何も持ってないので見つかるとやられるがままでほぼ即死。

さっきまでのびのびとしてたこの惑星の生き物や植物も殺戮・破壊されてるっぽい…

 

機械兵から逃げてる内に、虫の巣穴の様な場所に迷い混んでしまう。f:id:gl_game:20200407143943j:image

無数の卵とかリアルな昆虫の羽音とか、虫が苦手な人にはなかなかしんどいステージ。

怒って攻撃してくる昆虫をかわしながら進んでいくと

巨大カブトムシ?の様な昆虫が出てきて機械兵を倒してくれた!(※のろのろしてるとプレイヤーも普通に踏み潰されます)

 

巣穴からなんとか抜け出して外に戻ってきた主人公。

でもそこには更に大量の機械兵の姿が…f:id:gl_game:20200407144412j:image

この綺麗な惑星はどうなっちゃうの?示されたルートで惑星の中心に向かえばそこに何かあるのか?何もわからないけどとりあえず進む!

 

つづく